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映画「きみに読む物語」作品紹介
製作国
アメリカ映画
公開日
2004年
上映時間
124分
監督
ニック・カサヴェテス
キャスト
ノア・カルフーン=ライアン・ゴスリング
アリー・ハミルトン=レイチェル・マクアダムス
映画「きみに読む物語」あらすじ
ある施設で、物語の読み聞かせをしている老人男性と女性。その物語は、青春時代を生きた男女の物語だった。二人の出会い、別れ、喜び、悲しみ…物語を聞いて行く度に頭の中に浮かぶ思い出の記憶。果たして、その物語の真相とは…?淡く切ない、不朽の恋愛ラブストーリー作品。
映画「きみに読む物語」あらすじストーリー結末【起】
※この先ネタバレ含みます。
老人施設で生活しているデュークは、同じ施設の女性に、ある物語の読み聞かせをしていた。
しかし、彼女は認知症。明日になれば、デュークのことも、物語のことも忘れてしまう。
それでも、デュークは毎日のように同じ物語を読み聞かせる。
1940年代の若い男女の恋物語。
材木屋で働く青年、ノアは、お祭りでひとりの少女に恋をする。
彼女の名前はアリー。彼女は、家族と共に、夏休みだけ田舎町の別荘を訪れていた。
資産家の娘で一人っ子の彼女は、両親から大切に育てられお嬢様のような生活を送っていた。
ノアはさっそく、「僕とデートしてほしい」と唐突にお願いする。
アリーは戸惑っていたが、ノアの体を張ったアプローチに負け、デートの約束を交わす。
デートを重ね、アリーもまた、ノアに惹かれ恋に落ちていく。
初めてのダンス。初めてのキス。これが、お互いにとっての最初の恋となった。
それからというもの、二人は毎日のように会い喧嘩も多かったが、そのたびに愛を深めていった。
そして、この恋は永遠のものだと、お互いに感じていた。
映画「きみに読む物語」あらすじストーリー結末【承】
ある日、二人の関係を知ったアリーの父に、ノアは自宅でのパーティに招待される。
パーティはとても豪華で、招かれた人は、みんな富裕層ばかり。
ある人に、「ノアはなんの仕事をして、いくら稼いでいるの?」と聞かれ
材木屋で働いているよ。時給は40¢だよ」と答えた。それを聞いたみんなに、言葉はなかった。
ノアは貧富の差を思い知らされることとなった。
さらに、アリーの母から、アリーはニューヨークの大学へ進学することを告げられてしまう。
アリーの父は「恋は自由だ。子供たちの好きにさせよう」と受け止めてくれた。
しかし、実際は、「ひと夏の恋を楽しんでいるだけだろう」
「夏が終わり、元の日常に戻れば、熱も冷めるはずだ」と軽くみていた。
ある日、ノアはアリーを誘い、廃墟となった農園を訪れる。
ノアは、「お金を貯めてこの土地を買い屋敷に改築するのが夢だ」とアリーに語った。
それを聞いたアリーは「家の壁は白で窓は青がいいわ」と将来一緒に住むことを約束したのだった。
そして、ふたりは初めてを体験する。彼らの元へ、友人のフィンが慌てた様子でやってくる。
アリーの帰りが遅いことを心配した両親が、警察に捜索願いを出していたのだ。
時刻は、深夜の2時。慌てて、アリーを家に送り届けるが、アリーの母に激怒されてしまう。
「あの子はいい青年だが、クズよ!私たちとは住む世界が違う」とアリーと口論になってしまった。
それを片隅で聞いていたノアは、ショックを受け、アリーと少し距離を置こうと固めたのだった。
それを知ったアリーは、ノアに駆け寄り、
「大学なんて行かない。このままここに残り、あなたといる!」と伝えるが
ノアは「少し考えたい。僕といたら君の人生がおかしくなってしまう…」と意思は固かった。
アリーは「そんな中途半端のつもりなら今別れなさいよ!」と感情的になってしまい、
その日はケンカ別れで終わってしまった。
翌朝、両親は、別荘の滞在を予定よりも早く切り上げ、自宅へ帰る準備をしていた。
アリーは、ノアに会うため職場に駆けつけるが、会うことは叶わず、
友人のフィンに「ノアに愛していると伝えて」と伝言を残し、両親に連れられ町を去っていった。
それを知ったノアは、動揺を隠せなかった。
ノアの心からアリーの存在を消すことは出来なかったのだ。
夏が終えてから、一年間、365通の手紙をアリーへ送り続けた。
しかし、アリーから返事が返ってくることはなかった。
映画「きみに読む物語」あらすじストーリー結末【転】
そしてノアは、自分の気持ちに区切りをつけるため【最後の手紙】を送り、
それ以降、もう書くことはなかった。
数年後、アメリカとドイツの間で戦争がはじまり、ノアは軍隊に入り、戦地へと向かっていた。
一方、アリーは、大学に通いながら、ボランティアとして軍人施設の看護活動を行っていた。
そんな中、ロンという青年から好意を寄せられる。ロンは富豪の子孫で、優秀な弁護士でもあった。
回復したロンから、デートに誘われて、
ノアとの恋から時が経っていたこともあり、アリーはロンを受け入れるのだった。
家柄も良く、当然アリーの両親はロンを気に入っていた。
そんなある日、ロンからプロポーズを受ける。
アリーの脳裏には一瞬だけ、ノアが頭をよぎるが、プロポーズを受け入れるのだった。
その頃、ノアは戦争から無事に帰還し、自宅へ戻っていた。
そして、父から、この家を売ったと告げられた。
父は「このお金で、廃墟となった農園を買え」と言ってくれた。
念願の土地を手に入れ、さっそく、改築に取り掛かる。
ノアは、許可書を届けるために、町へ向かった。向かう途中、偶然にも、アリーを目にする。
バスを降り、急いで彼女の元へ駆けつけるが、目の前の光景に言葉もなかった。
「家が完成すれば、必ずアリーは戻ってくる」とアリーとの約束を守るために、必死で取り組んだ。
アリーが気に入るように、壁を白く塗り、青い窓も取り付けた。
そんな矢先、一緒に住むはずだった父が亡くなってしまう。
ノアは、心を打ちひしがれる思いだった。
それでも、彼女のために家を完成させたのだ。
農園は、廃墟だった面影はなく、立派な屋敷に生まれ変わった。
しかし、どれだけ待ってもアリーが戻ってくることはなかった。
そして、とうとう家を売ることにしたのだ。センスがよく、立派な建物に買い手が殺到。
「この金額では、売ることはできない」と言いがかりをつけ、決して手放そうとはしなかった。
ノアは、その寂しさを埋めるように、未亡人の女性と身体だけの関係が続いていた。
未亡人は、ノアの心の中には、他の女性がいると察し、これ以上の関係を求めては来なかった。
その頃、アリーは、ロンとの結婚式の準備に取り掛かっていた。
自分の結婚を報じる記事の横に
「廃墟が生まれ変わった立派な屋敷」という記事が目に飛び込んでくる。
その横には、ノアの姿もあった。
それを知ったアリーは、
いてもたってもいられなくなりロンに嘘をつき、かつての廃墟の農園へ向かった。
そこで、ふたりは7年ぶりの再会を果たすのだった。
デュークは、ここまで話し終え、「戻ってきたら続きを読むよ」と伝え、診察を受ける。
先生から「悪化はするが、治ることはないんですよ…」と告げられたが、
デュークは、「それでも、奇跡は起こる」と伝え、診察を終えた。
デュークの家族が面談に訪れ、家族を老女に紹介していった。
家族は、「パパ、治らないんだったら、そろそろ帰ってきたら?」と言われるが、
今の我が家はここだと言い張るデュークだった。
部屋に戻り、再び、物語を読み聞かせる。
ノアと再会し、同じ時間を過ごすうちに、自分が本当に好きなのはノアだということを心に思う。
しかし、アリーは「なぜ手紙をくれなかったの!」
「私たちは終わっていなかった。7年も待ってたのよ!もう遅すぎる…」と積年の思いをぶつける。
ノアは、君がいなくなってから一年間、365通、毎日手紙を送った。
最後の手紙に、農場を改築して君を待っていると綴った事を伝え、
ふたりは、空白の7年間の愛を伝え合ったのだった。
その夜、未亡人がノアの元へやってくるが、心の中にいた女性が現れたことを知り、
ノアの元を去っていった。
映画「きみに読む物語」あらすじストーリー結末【結】
翌朝、アリーの母が屋敷を訪れていた。
父が、ノアの事を話してしまい、心配してロンもホテルに来ているようだ。
アリーと母は、またしても口論となってしまう。母は、アリーを連れてある工事現場へと向かった。
母は25年前に、あそこにいる人と恋に落ちたことを打ち明ける。
両親から猛反対され、その男性と駆け落ちしたものの、
隣町へ向かう途中に警察に捕まってしまったと語った。
「ママはパパのことを愛しているが、ここへ来ると、
かつて愛したあの人の事をついつい見てしまう…」 母から、
どこか後悔している気持ちが伝わってくるのであった。
別れ際、母はアリーに「自分の心に従いなさい」と言い残し、
自分が握りつぶしていたノアからの手紙を渡し、立ち去って行った。
アリーは、ロンにすべてを打ち明けるためにホテルに戻っていく。
ロンから「僕だけの君でいてほしい」と言われ、大きな選択に迫られていた。
「そして、ふたりは幸せに暮らしました」とデュークは話をやめた。
老女は、「誰が?誰が幸せになったのよ」とデュークに聞く。
すると、老女は何かを思い出したかのように、
「その物語は、私たちね?」と涙を流した。
自分の名前はアリーで、目の前の老人がノアだということに気づく。
面会に来ていたデュークの家族が、自分の子供、孫であることも。
すべて思い出したのだった。
ノアは、毎日のように物語を読み聞かせ、記憶を思い出させようとしていたのだった。
そして、ふたり抱き合い、再び愛を伝えた。
アリーは、これまでにも記憶が蘇ることはあったが、時間が経てば、忘れてしまう。
ノアは、そのたびに物語を読み聞かせ、思い出させようとしてきたのだ。
しかし、今回の幸せな時間は短すぎた。
アリーは再び、記憶を失い、目の前の知らない老人にパニックを起こしてしまう。
毎度のことではあるが、最愛の人が自分を忘れてしまうことに慣れるはずもなく、
若いころの写真を見返して、悲しそうな表情を浮かべ眠りにつく。
翌日は、ノアは心臓発作で倒れてしまい、アリーに会えない日々が続いた。
回復したノアは、事情をすべて知っている看護師のはからいで、こっそり、アリーに会いに行く。
目覚めたアリーは、記憶を取り戻していた。
認知症であることや、すぐに忘れてしまうことも自覚していた。
「私が私でいるうちに、一緒に天国へ行けるかしら」とノアに伝える。
「僕らの愛に不可能はない」と優しく語りかけ、口づけを交わした。
ふたりは両手をつなぎ、深い眠りについたのだった。
翌朝、看護師がアリーの部屋に入ると、ふたりは亡くなっていた。
ふたりの愛が、生涯を共に終えるという奇跡を起したのだった。
映画「きみに読む物語」感想
この作品は、美しい純愛をとことん描いた作品でした!男性目線なのに下品でなく、ロマンチックな描写と展開が乙女心を満たしてくれる作品でもありました!人生一度きり。心に嘘をつくなと言われても、生活を捨てることはできないし、周りの人の事も考えてしまう。夢物語のように、ロマンチックですが、認知症というリアリティある展開で心に残りました!私は、アリーが記憶を取り戻した辺りからティッシュ10枚は使いました。
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