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映画「ラ・ラ・ランド」作品紹介
製作国
アメリカ映画
公開日
2016年
上映時間
128分
監督
デミアン・チャゼル
キャスト
セバスチャン(セブ)-ライアン・ゴズリング
ミア・ドーラン-エマ・ストーン
映画「ラ・ラ・ランド」あらすじ
ハリウッドの喫茶店で働きながら、女優になることを目指しているミア。そんなある日、ハイウェイで渋滞に捕まってしまい、社内でセリフの練習に励むミアだったが、前が進んでいることに気が付かず、後続車にクラクションを鳴らされ、悪態をつかれてしまう。そんなある日帰り道、レストランから流れてくるピアノに惹かれ、店の中へとはいっていく。しかし、そこには、ハイウェイでクラクションを鳴らしてきたセバスチャンだった。そんな彼とは、約束を交わさずと行く先々で偶然な再会を果たす。顔を合わすたびに・・・
映画「ラ・ラ・ランド」あらすじストーリー結末【冬】
※この先ネタバレ含みます。
冬「出会いは最悪」
主人公のミアは、カフェで働きながら女優としての夢を追いかけていた。
いつものように大渋滞しているロサンゼルスのハイウェイ。
そんな彼女は車の中でオーディションの練習をするのが日課だった。
ようやく前の車が動き出すが、気づいていないミアは、後ろからクラクションを鳴らされてしまう。
赤いオープンカーに乗っていた男は、
ミアを睨みながら嫌味のようにクラクションを鳴らして走り去っていった。
ミアの職場はハリウッドの撮影所の中にあるオシャレなカフェ。
訪れる有名な女優に憧れを抱きながら、
毎日毎日オーディションを受けるも、なかなか結果に繋げる事が出来ずにいた。
この日もオーディションに落選してしまい、
友人に誘われ業界関係者が参加するパーティーへ出かける。
何かこのパーティで女優としてのきっかけを作る事が出来ないものかと参加したが、
自分が思っているような展開にはならなかった。
愕然とし帰ろうとした矢先、
駐車禁止区域に止めていたミアの車は、案の定レッカー移動させられてしまう。
仕方なくひとり夜道を歩いていると
通りがかったレストランの中から聞こえてくるピアノの音に心惹かれる。
吸い込まれるようにレストランの中に入っていった。
そこでピアノを弾いていたのは・・・
ハイウェイで自分にクラクションを鳴らして走り去っていった赤いオープンカーの男だった。
彼の名前はセブ。
ジャズをこよなく愛するピアニストだった。
彼の夢は、ジャズピアニストとしてジャズバーの店を持つこと。
しかし現代において、ジャズはすでに売れない過去のジャンルとなってしまっていた。
この日もレストランの店長から頼まれたのは万人受けするような楽曲ばかり。
「どうせ聞いてなんかいないだろう」と次第に曲調を自分好みのジャズへと変えていく。
そのまま自分の世界に入り演奏を弾き終える。
しかし、セブに待っていたのは「クビ」という現実であった。
そんな事情も知らず、ただセブの演奏に惹かれお店に入ってきたミア。
「演奏に惹かれて…」とセブに話しかけるも、まだ話の途中だというのに
セブはそのまま無視して去って行ってしまう。
映画「ラ・ラ・ランド」あらすじストーリー結末【春】
春「惹かれ合うふたり」
夢を追うミアは、あるパーティでふたたびセブを見かける。
演奏に見惚れる彼女に、うさんくさい脚本家が執拗に声をかけてくる。
その場から逃げ出すため、前を通りかかったセブをに助けを求め、一緒に外へ出る。
そのまま駐車場のサンセットが見えるスペースまで移動して、二人は夜景見ながら会話と踊りを楽しんだ。
何か運命的なものを感じたミアだったが、恋人からの電話で現実に戻る。
その日は二人、別々に帰るのだった。ある日、ミアが働くカフェにセブが訪ねてくる。
仕事終わりにあの日の会話を続ける二人。
ミアは女優になる夢を、そしてセブは自分の店を持つ夢を。
夢を持つ者通し互いに励まし合う。
その励ましが次第に恋心に代わり、互いに惹かれ合っていくのを確かに感じていた。
ある日、セブと映画を観る約束をした当日。
その日は恋人とその兄夫婦との食事会があった事をすっかり忘れていた。
仕方なく食事会に向かうミアだったが、ミアには関心のない退屈な会話ばかり。
ミアはセブのことが気になって仕方なかった。
その時、店内に流れてきた曲。セブの弾いていたあの曲。
心動かされたミアは、レストランを後にしてセブの元へと向かうのだった。
映画の上映中、トラブルに見舞われた二人は、
そのまま映画のロケ地でもあるグリフィス天文台へと向かう。
ふたりはプラネタリウムの満天の星座に見守られながら、
天に舞うような恋心を燃やしていくのだった。
映画「ラ・ラ・ランド」あらすじストーリー結末【夏】
夏「追いかける夢」
ミアは恋人と別れ、セブと同棲するようになっていた。
ミアはオリジナルの脚本を書き始め、セブはジャズバーでのピアノプレイヤーとして働き始める。
生活は決して豊かではないが、夢を追って仕事にプライベートと充実した生活を送っていた。
そこにセブの友人キースが現れる。
セブの腕前を知っているキースは、彼を自身のバンドのメンバーへと勧誘する。
冗談だと思っていたが、
売れっ子の道を進み始めているキースのバンドに入る事は稼ぐ事にも繋がる。
セブにとって、
そしてミアにとっても自分たちの夢を叶える為には今の収入以上のお金が必要なのは明白だった。
改めてキースの元を訪れるセブ。
そこで分かったのは、キースが作る楽曲はセブが奏でたい純粋なジャズ音楽ではなかった。
キースは「ジャズを救うとしても、聴いてもらえなければ始まらない。
過去ばかり見てないでジャズの未来を見ろ」と告げる。
セブは本意ではなかったが、お金のため、
なにより自分たちの夢のためと割り切って、正式にキースのバンドへ加わったのだった。
キースのバンド「ザ・メッセンジャーズ」は瞬く間に人気となり、
スケジュールが過密になっていく。ミアは少しづつすれ違いを感じながら、
ひとり寂しく舞台の準備を進めていた。
映画「ラ・ラ・ランド」あらすじストーリー結末【秋】
秋「前向きな別れ」
久しぶりに家に帰ってきたセブは、ミアとの束の間の食事を楽しんでいた。
ミアともっと一緒にいたいと願うセブは、地方ツアーの同行の話を持ちかけるも、
公演は二週間後だと断られてしまった。
ミアはバンド一色に染まっていくセブを案じ「自分の店を持つ夢はどうしたの?」
「今の音楽は本当に自分のやりたい音楽なの?」と気にかけていた。
そんな彼女の想いとは裏腹に
「成功して欲しくないからそんなことを言うのか」
と彼女を傷つけてしまう。
ミアは、思わず涙をこぼし出ていってしまった。
昔のように心を燃やすことをやめ
本当の夢を諦めてしまったかのようなセブの口ぶりにミアはショックを受けたのだった。
ミアの舞台公演の当日。
セブは来週だと思っていたバンドの予定が今日だったと知る。
一方、ミアの公演は空席ばかり。
一番に見ていて欲しかったセブの姿はそこにはなかった。
楽屋で聞こえた観客の酷評が、彼女の自信を余計に喪失させる。
バンドの予定を終わらせ、やってきたセブにひとこと彼女は告げた。
「終わりよ」そして、彼女は実家へと帰っていった。
数日後、セブのもとに一本の電話がかかってくる。
その電話は映画のキャスティング担当者からだった。
あの日、偶然ミアの芝居を観に来ていた担当者はミアの演技を絶賛していたのだ。
「明日のオーディションにぜひ来てほしい!」という内容だった。
セブは急いでミアの実家へ走り、ミアを説得する。
「もう十分傷ついた」「どうせまた嫌な思いをする」と話を断ろうとするが、
セブの強引な説得によってオーディション会場へと向かう。
オーデョションの後、二人はいつかのように夢について語りあう。
受かっていたら、全力で没頭しなければダメだと諭すセブ。
そして自分自身もこの街に留まって夢を追うと伝える。
ミアが受かっていれば、また離れ離れになってしまう…。
それでも二人はお互いに「愛してる」と伝え、お互いの夢を優先するのであった。
映画「ラ・ラ・ランド」あらすじストーリー結末【5回目の冬】
5回目の冬「夢の果てに」
ミアはオーディションに合格し、ハリウッド女優として成功しつつあった。
丘の上にある豪邸では夫のデイビットと愛娘が自分の帰りを待つそんな生活を送っていた。
その日、ミアは夫と二人でハリウッドのイベントに出かけ、その帰り道、ひどい渋滞に捕まっていた。
仕方なく、ハイウェイを降り、食事を済ませた二人は、
そのまま初めて立ち寄るバーへと入っていく。
「セブズ」という店の名前を見た瞬間、思わず立ち止まるミア。
夫にエスコートされるがまま、店内に入ったミアは、そこでセブと再会する。
そして、ちょうど中ではセブがこれからピアノソロを演奏するところだった。
思いがけず再会を果たした二人だったが、
二人にはすでにお互いのいないそれぞれの人生があった。
ミアに気づいたセブは、二人の思い出の曲を彼女に贈った。
もし、二人があの時別れていなかったら…。いまでも一緒にいたのかな…。
演奏が始まるとともに、二人の空想がはじまった。
渋滞するハイウェイでの最悪な出会い。
夢をお互いに支え合う幸せな日々。
満員となったミアの一舞台の最前列でスタンディングオベーションをするセブ。
ミアが女優として有名になっていくとともに、セブもそばで寄り添い、
セブは演奏家として仕事を始め、ミアと結婚して子供も授かった。
ふたりの夢を二人で叶え、幸せな日々を送る。
様々な思いをのせたセブの演奏はその場にいた全員から拍手喝采を浴びる。
しかし二人にとっては言葉のない会話そのものであった。
演奏という会話が終わり、現実に戻ったミアは夫と店を後にする。
去り際、振り返ったミアに、セブは寂しそうに微笑むのだった。
映画「ラ・ラ・ランド」感想
この作品は、お互いの夢を尊重し、前進するために別れを選ぶという儚い恋物語でした。結局セブとミアは結ばれなかったという切なさが残りますが、大人になるにつれ、夢のために犠牲にするものもあると考えさせられる映画でした。セブとミアの2人のように、離れてもお互いを想い、お互いの夢を応援し続けるような愛のかたちもあると気付かせてくれる作品でもありました。
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