映画【メッセージ】あらすじ・ネタバレ・結末|コンタクトレンズに乗ったタコ型の異星人が地球へ飛来。YOUは何しに地球へ?

SF

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映画「メッセージ」作品紹介

製作国

アメリカ映画

公開日

2017年

上映時間

116分

監督

ドゥニ・ヴィルヌーヴ

キャスト

ルイーズ・バンクス – エイミー・アダムス

イアン・ドネリー – ジェレミー・レナー

ウェバー大佐 – フォレスト・ウィテカー

ハルペーン捜査官 – マイケル・スタールバーグ

マークス大尉 – マーク・オブライエン

シャン上将 – ツィ・マー

映画「メッセージ」あらすじ

突如として地球へ12体のコンタクトレンズ型の宇宙船が飛来する。

彼らの目的とは、何なのか…?

映画「メッセージ」あらすじストーリー結末【起】

この先ネタバレ含みます。

言語学者のルイーズは、独身にも関わらず、かけがえのない娘が難病に侵され、息を引き取ってしまう謎の夢を見る。

言語学の第一人者として高名だった彼女は、いつものように大学で教鞭をとっていた。

すると、突如、世界の各地に12の正体不明の飛行物体が確認されたというニュースを耳にする。

次の日、各国が警戒を強める中、ルイーズの元へ軍の大佐ウェーバーが訪ねてくる。

彼は、ルイーズの過去の功績から、力を貸してほしいと頼ってきたのだ。

大佐はレコーダーを取りだし、ある音声聞かせる。

録音されていた音声は、とある会話の内容だった。

「どこから来たの?」の問いかけに、対して返ってきた答え。

それは、異星人のものと思われる音でもあり、不思議な言葉?でもあった。

「音声だけでは判断はつかない」と現地に行くことを望んだが、「単なる好奇心で連れていくことはできない」と断られてしまう。

大佐は、別の教授にもあたるが、やはり言語学においては、ルイーズの右に出るものはいなかった。

その夜、ヘリコプターで迎えに来る。

ヘリコプターには、理論物理学者であるイアンという男性が乗っている。

やがてヘリコプターの窓から見えてきた「それ」は、高さが450mもあり、コンタクトレンズのような形状をした黒い物体であった。

軍のベースキャンプに到着した二人は、なぞの物体はシェルと呼ばれているようだ。

これまでの調査により分かったことは、18時間ごとに一度だけ、シェルの最下部に内部へと入る為の入口が開くという事。

約120分でシェル内の重力が変化して外に追い出されるという事。

その理由が、シェル内に空気が循環していない為、二時間ほどで酸素がなくなる可能性があるという点から、「我々の為」であるといえる事が分かっていた。

つまり、18時間というのは、再び、人間がシェルの中に入る為に、彼らが、シェル内の環境を整えている時間であるとイアンは推測する。

防護服に着替え調査に向かう。

調査チームは、実際に接触することはなく、ガラス越しにコンタクトを図るという。

「マジかよ・・・」イアン悶絶。

シェルの中は、ほぼ無重力の状態となっていたのだ。

壁づてに進む調査チームは、やがて白く光る壁に到着する。

「彼らが来る」

大佐の言葉通り、目の前に現れたのは、7本の脚を持ったタコ型の異星人だった。

しかし、言語学の権威であるルイーズであっても、ファーストコンタクトは何も出来ずに終わった。

映画「メッセージ」あらすじストーリー結末【承】

ルイーズは、会話することは、ほぼ不可能に近いと考え、二度目のコンタクトでは、言葉を使う代わりに、フリップボードに文字を書いて、視覚でのコミュニケーションを試みようとする。

「HUMAN」と書いて異星人に見せる。

それに反応し、触手から墨のようなものを吐いて円形のメッセージを返してくる。

二回目のコンタクトにして、初めて成果だった。

それ以降、この文字を見せるという地道なコンタクトを続けていく。

しかし、彼らから返ってくるメッセージは、同じような円形のメッセージばかりだった。

ルイーズは、顔を見せなければ伝わらないのではないか?と考え、防護服を脱ぎすて、壁に手を添えると、彼らも同じように触手を広げて返してきた。

そして、「私の名前はルイーズ」と伝え、それを見ていたイアンも、防護服を脱ぎ、自己紹介をする。

すると、ルイーズの問いかけに答えるかのように、彼らも応答する。

同じような円形の文字だったが、それが彼らの名前だとルイーズは推測した。

二体の異星人をそれぞれ「アボット」と「コステロ」と名付けた。

ベースキャンプに戻る途中、突然ルイーズはめまいと共に、ある少女が出てくる記憶の断片が頭をよぎる。

それからというもの、彼女は同じ少女の記憶の断片を見るようになっていく。

イアンは、タコの異星人を総称して「ヘプタポット」と名付けた。

そして、彼らが出す音と文字には関連性がないという事から彼らが出す文字は、いわゆる表意文字と呼ばれるもので、観念をそのまま視覚化しているという事も分かってきた。

彼らの文字はロゴグラムであり、時系列がないのだと、パキスタンの学者が解明した。

文字の解析が進む中、ルイーズとイアンは、お互いが同じ境遇であることを知り、励まし合うようになる。

その頃、世界各地では、謎の異星人の恐怖に煽られて、暴動が起こり始めていた。

解析を続けるルイーズ。

その最中、彼女は再び少女の記憶を見る。

そこにいた少女は「ハンナ」という名前で、ルイーズの事をママと呼んだ。

さらに、ハンナが物心ついた頃には、父親はすでにいない様子であった。

自分は独身なのに、なぜこんな記憶を・・・?

身を案じたイアンは、ヘクタポットの言語によって夢をみせられているのではないか…と推測した。

そんな中、中国の調査チームが、麻雀を使ってコミュニケーションをとっていると情報が入る。

言葉の代わりにゲームを教えた場合、考え方が「対立」「勝利」「敗北」と、ゲームにもとづく考え方に変わってしまう。

事態を重く捉えた大佐は、早急にヘクタポットに、ある答えを求めるようルイーズに伝える。

それは「彼らが地球に来た目的はなにか?」という答えだった。

ルイーズが問いかけた質問に、ヘクタポットが返してきた答えとは…

それは「武器を与える」という内容だったのだ。

そのメッセージは、各国の調査チームに大きな波紋を呼んだ。

人間同士を戦わせる事が目的なのかも知れない・・・。

「武器」という言葉が出たことにより、大国である中国とロシアはシェルに敵対心を持ってしまった。

やがて、中国は「我々を対立させようとする異星人から、人類を守らなければならない」と、シェルへの攻撃の準備を開始する。

ルイーズとイアンは、直ちにヘクタポットの元へと急ぐ。

先ほどのメッセージの真意を確認する為だった。

コンタクトを試みようとするその時、

アボットが壁をコツコツと叩き、ルイーズにロゴグラムで語る。

「ここに直接書け」

壁越しにアボットの広げる手にルイーズが触れると、そこから大量の墨が吐き出される。

次の瞬間、ルイーズの脳裏にハンナの映像が浮かび上がる。

そして、ルイーズはヘクタポットの言葉でメッセージを描いた。

その時、ヘクタポット達がこれまでに見たこともない程の大量のメッセージを吹き付ける。

二人の背後で静かにカウントダウンするタイマー。

そのタイマーが残り5秒を切ろうとしたその瞬間、ヘクタポットが壁を叩くと、その衝撃でルイーズとイアンは吹き飛ばされてしまう。

ほぼ同時に、シェル内で大きな爆発が起こる。

この爆発は、ヘクタポットを敵として恐れた護衛チームは仕組んだことだった。

しかし、ヘクタポットは、爆弾に気付いており、二人を吹き飛ばす事で爆発から守ってくれたのだった。

映画「メッセージ」あらすじストーリー結末【転】

すぐに目を覚ましたルイーズは、「私たちの意思ではない」と説明しに行くというが、シェルは上空800mのところまで上昇してしまう。

そして、その出来事を境に事態は急変する。

中国のシャン上将が「24時間以内に我々の領土から出ていかなければ総攻撃を開始する」と宣戦布告をしたのだ。

さらに、各国がそれに賛同する。

ヘクタポット達が最後に送ったメッセージの解析を始める二人。

疲れせいか、再びハンナとの記憶を見て、いつの間にかうたた寝をしてしまっていた。

記憶の中で、ハンナは「お互いにとってメリットが出る言葉って何?」とルイーズに尋ねていた。

すぐに思いつくような簡単な言葉を並べるが、もっと数学的な表現で教えてと言われ、質問には答えられなかった。

そこでルイーズは目を覚ます。

ルイーズが目を覚ますと、イアンが一つの結果を導き出していた。

それは、あのメッセージは、全体の12分の1にしかすぎないという事だった。

そして、地球上に現れたシェルの数も12。

つまり、各国に現れた12のシェルのメッセージを繋ぎ合わせる事で、本当のメッセージが完成するという事。

ヘクタポット達は、人類を敵対させるどころか、人類を協力させたいのだと主張した。

しかし、すでに時おそし。

各国との回線はすでに切られている状況にあり、協力などできそうもない。

そこでイアンは、こちらの情報を開示する事で、他国にも協力させる、つまり対立はしていてもお互いにとってメリットがでる「ノンゼロサムゲーム」の提案をする。

その言葉を聞いた時、ルイーズは先ほどの夢でみたシーンを思い出す。

ハンナが求めていた答えは、正にイアンが言った「ノンゼロサムゲーム」であった。

そしてルイーズは、まるで何かに導かれるようにその場から姿を消す。

ルイーズがたどりついた先は、シェルの真下。

そして、シェルから降りてきた円筒形の乗り物に乗りこんだルイーズは、そのままシェルの中へと吸い込まれていく。

そこでコステロと呼んでいた個体との対面接触を果たす。

「アボットは?」

ルイーズの質問に、コステロはロゴグラムで返す。

ルイーズには、そのメッセージがはっきりと理解できた。

先ほどの爆発で死を迎えたのだ。

「私たちのせい」ごめんなさいと詫びる。

そして、私たちにくれたメッセージを他の国にも伝えてほしいとお願いする。

しかし、コロステからは「すでに、ルイーズには武器がある」という返事が返ってきた。

同時に脳裏に次々とフラッシュバックするハンナの記憶。

ルイーズは、彼らと接触するたびに鮮明になっていく。

「娘との夢」が、「未来に起こること」だと気づく。

たびたび見ていたハンナの記憶は、過去の記憶ではなく、これから起こる未来の記憶。

つまりフラッシュフォワードだった。

そして、未来が見えてしまうが故に、余計な事を言ってしまい夫と別れてしまうことや、娘のハンナが、珍しい病気にかかってしまい、難病で、命を落とすことも。

そして、ルイーズは、未来の自分が「ヘプタポット言語」の書籍を出している事を知る。

未来のルイーズは、ヘプタポット言語を教える存在となっていた。

ヘクタポット達のメッセージは「贈り物」だった。

映画「メッセージ」あらすじストーリー結末【結】

「武器」とは彼らの「言語」の事だったのだ。

ヘクタポットの言語を理解して身に着ける事で、彼らと同じように時間を捉える事が出来るようになる。

つまり、未来が見えるようになるのだ。

なぜ私たちに贈り物をくれるの?と聞くと、「3000年後に、人類の助けがいる」と答えた。

ヘプタポッド達は、3000年後に地球人から助けられる未来が見えていた。

コステロが飛び去るのと同時に、ルイーズはシェルの外に出されてしまう。

戻ってきたルイーズに、大佐から、中国の攻撃に巻き込まれるから撤退するようにと命じられる。

混乱を極める中、ルイーズは、未来を見通す力を使い、脳内で模索する。

すると、一年後に、自身が出版したヘプタポット言語の出版パーティが行われていた。

そこで、中国のシャン上将から「私を説得し、君が世界を救った」と言われるルイーズの姿があった。

一年前、シャンの携帯電話にルイーズから直接電話をしたと言うのだ。

そして、それがきっかけとなり、シャンは考えを変え、「世界が一つになった」のだという。

「私はあなたの携帯電話の番号は知らない」と伝えるが、そこでシャンが自分の携帯電話の番号を見せる。

「これで知った」と。

シャンは、理由は分からないが、君はこの番号を見る必要があったのだろう、と告げる。

記憶は、そこで終わり、ルイーズはその未来の記憶を頼りに軍の衛星電話を使い、電話をする。

相手は、中国のシャン上将だった。

考えるルイーズの脳裏に、再び未来の記憶がめぐる。

それは、シャン上将と奥さんとの最後のやりとりの内容だった。

ルイーズは、本人でしか、知りえない内容をシャンに語りかける。

その後、ルイーズの言葉を信じ、シャンは緊急会見を開き、攻撃を中止すると命ずる。

そして、再び各国が情報の共有を開始したのだ。

シェルは、まるで役目を終えたかのように去っていった。

去り行くシェルを見上げるルイーズに、イアンが寄り添う。

ルイーズは「この先の人生が見えたら、選択を変える?」とイアンに聞く。

イアンはしばらく考え、「自分の気持ちを、もっと相手に伝える」と伝え、

ルイーズに、子供を作って幸せな家庭を作ろうとプロポーズをした。

将来生まれてくる娘が、自分よりも先に死んでしまうことや、そしていずれイアンとも別れてしまう事。

そして、最愛の娘を若くして亡くしてしまうという事すらも、全てを知ったうえで、ルイーズはイアンと一緒になるという選択を選んだのだった。

全ての瞬間を大切に生きるために。

映画「メッセージ」感想

この作品は、宇宙船の形が、スナック菓子のばかうけに似ていると日本では話題になり、ふわふわしたイメージがありましたが、実際は、かなり緻密に設計されたハードSF映画でした!

時間の概念がなく、一般的な理解だと、「過去→現在→未来」と時間は流れるものですが、本作品は、時間を飛び越えて、未来と行ったり来たりする所も、他の映画にはない魅了のひとつでした!

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