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映画「グリーンマイル」作品紹介
製作国
アメリカ映画
公開日
1966年
上映時間
188分
監督
フランク・ダラボン
キャスト
ポール・エッジコム-トム・ハンクス
ジョン・コーフィ-マイケル・クラーク・ダンカン
映画「グリーンマイル」あらすじ
アメリカの刑務所にある黒人男性ジョン・コーフィが収容される。
その男性はかなりの大柄だが、その風貌に似合わないほど気は弱く、純粋な優しい青年だった。
ある日、州知事の甥であるパーシーは、囚人のひとりが飼っていたネズミを踏み殺してしまう。
しかし、コーフィーが手をかざすとネズミが生き返り、奇跡の力と有名になっていく…。
死刑囚のみが収容される刑務所内で起きるファンタジーヒューマン映画。
映画「グリーンマイル」あらすじストーリー結末【起】
※この先、ネタバレを含みます。
老人ホームで生活をするポールは、古い映画を見て何かを思い出したかのように涙を流した。
ポールを心配し、友人のマーガレットが声をかける。彼は自分の過去を静かに打ち明け始めた。
1900年代、死刑囚のみ刑務所の看守主任を務めていたポール。
そこには死刑台にむかう緑色の通路、通称「グリーンマイル」があった。
今日もまた、刑務所に新しい囚人が搬送されて来る。囚人の名前はコーフィ。
大柄な黒人男性で、幼い姉妹の命を奪い死刑が確定しているという。
しかし、体格とはうらはらに、穏やかな性格で、純粋な心を持った人物でもあった。
そんな彼は、看守であるパーシーからひどい扱いを受けるようになっていった。
パーシーは、州知事の甥という立場を利用し、他の看守や囚人たちに暴力的な態度を取っていた。
死刑とはいえ、罪人たちを人として接するべきだと考えるポールは、
そんなパーシーの態度にいつも手を焼いていた。
所長からも念を押されるほどだった。
ある日、ひとり囚人の死刑が執行となり立ち会ったパーシーは、
感電死させるために濡れたスポンジを使用する事で痛みを感じさせず、
即死させることができることを知る。
罪を償った囚人を侮辱し、あざ笑うパーシー。
目に余る姿に同僚から注意を受け、ふてくされる彼は、
「転属願いを出してやるから、自分に死刑を仕切らせろ」と上司であるポールに交渉する。
パーシーが居なくなれば、刑務所の環境も良くなると思い、ポールは承諾した。
しかし、ポールには他にも多くの悩みを抱えていた。
所長の奥さんが脳腫瘍に苦しめられていた事。ポールと所長は家族ぐるみの仲だった。
もうひとつの悩みは、持病である尿道感染症に悩まされ、夜も眠れないほど苦しんでいた事だ。
映画「グリーンマイル」あらすじストーリー結末【承】
翌日、あらたな囚人ビリーが移送されてくる。
ビリーは生粋の悪党だと地元では、有名だった。
そんな矢先、問題児のビリーにポールは、
タマキンを蹴られ、持病が悪化し、その場に倒れこんでしまう。
苦しんでいるポールに、コーフィは自分の元へ呼び寄せた。
コーフィが、ポールを掴むと不思議な力を使い、病気を吸い取ったのだ。
その後、彼の口から、大量の虫が湧きだし、邪気が浄化されていく。
ポールは、何が起きたのか理解出来なかったが持病の尿路感染症は完全に治っていたのだ。
さらに、コーフィの奇跡の力は続いた。
ネズミのMr.ジングルスをペットとして飼っていた囚人デル。
その小さな命から、命の尊さを感じ、自分犯した罪を悔いているようだ。
デルの死刑執行が迫った時、デルはMr.ジングルスのことばかり心配していた。
しかし、またしてもパーシーがやってきて、Mr.ジングルスを踏み殺してしまう。
激怒したデルだったが、
そこでコーフィが「まだ間に合う」と駆けつけ、両手でMr.ジングルスを包み込んだ。
しだいに、光が差しこみ、Mr.ジングルスは息を吹き返した。
その奇跡にそこに居た全員が息をのんだ。
そして、ポールの中に「本当にコーフィは犯罪を犯したのか…?」という疑問を抱くのだった。
映画「グリーンマイル」あらすじストーリー結末【転】
デルの死刑執行日が訪れる。
デルはペットのMr.ジングルスをコーフィに託し、グリーンマイルへ向かった。
パーシーはポールとの交渉で、
死刑を仕切る代わりに転属するという条件で、デルの死刑はパーシーが担当することに。
電気椅子での死刑が執行される。
パーシーが仕切りたかった理由は、
濡れたスポンジを使用せず、痛みを与えて苦しむ姿を見たいがためだったのだ。
どこまでもサイコパスだったのだ。
あまりに悲惨な執行に、立会人も目を背け、次々とその場から立ち去っていく。
話を聞き、人の死に敏感なコーフィは、牢屋の中で、悲しみ、嘆いていた。
翌日、ポールは、刑務所長の家を訪ねていた。
奥さんのこともあり、掛ける言葉に迷い、あえて明るく振る舞い、元気づけた。
その夜、ポールはある事を考えていた。
「コーフィの力で所長の奥さんを治すことはできないだろうか…?」
翌日、同僚に相談して、決行するために計画を練っていた。
コーフィを奥さんの元に送るにはいくつかの障害があった。
彼らは、コーフィが人の命を奪うような人間ではないと考えていたが、世間では犯罪者。
彼が刑務所から出る事を手引きすることが明るみになれば、無職もしくは犯罪者になってしまう。
そして、いちばんの障害だったのは、2人の問題児だった。
看守のパーシーと囚人のビリーだ。
パーシーたちは、彼らに騒ぎ立てられないように、
囚人ビリーは飲み物に睡眠薬を盛って、意識を朦朧とさせ、
パーシーに日頃の行いの罰だと伝え、拘禁室に閉じ込めた。
映画「グリーンマイル」あらすじストーリー結末【結】
コーフィを刑務所から出そうとした瞬間、意識が朦朧としている囚人のビリーが彼の腕を掴む。
コーフィは、相手の心を読み、邪悪な真実を知ってしまった。
自分の容疑である姉妹殺害の事件の真犯人は、ビリーが犯したものだったのだ。
コーフィは、殺害後の現場で、亡くなった姉妹を両脇に抱え、泣いている所を逮捕されていた。
見逃せず、幼い子供を救おうとしたが、
すでに息絶えており、純粋な心のコーフィは冤罪を着せられて逮捕されたのだ。
真実を知ったコーフィは、姉妹の命を奪った怒りをこらえ、所長の家に向かう。
コーフィは、奥さんから病気を吸い取り、彼女の容体はしだいに安定した。
普段なら邪気を吐き出すコーフィだが一向に吐き出そうとせず、苦しみながら刑務所に戻った。
パーシーは、不当に拘束室に閉じ込められたことを密告しようとしていた。
口止めを求めるポールだったが、拘束室から出そうとしたそのとき、
コーフィがパーシーに掴みかかり、ため込んでいた邪気をパーシーの体内へ流し込んだ。
パーシーは、気が狂ってしまい、ビリーを射殺。その後、パーシーは精神病院に収容された。
コーフィが、不思議の力を使い、パーシーとビリーに罰を与えたのだ。
過剰な暴力と権力の振る舞うパーシーと姉妹殺しのビリー。
「なぜあんなことをしたんだ!」と問い詰めたポールに、
コーフィは「自分が見たものを見せる」と伝え、彼の手を取り全てを伝えた。真相を知ったポール。
すべてを知ったポールは、どうにかして、死刑を阻止できないかと考えていた。
しかし、死刑を止める術がなく、無力感と罪悪感に苛まれていた。
ポールは、苦渋の策で脱獄を手伝う事を提案するが、
そんなポールの想いをよそに、コーフィは静かに口を開いた。
「俺はこの力で、他人の邪悪な心を感じながら生きてきた。
それを感じることに疲れてしまったんだ。」と告げた。
死刑の日、看守たちは涙を抑えることが出来なかった。
「なぜ善良のポールが死ななくては、ならないのだ…!」と思いがこみ上げる。
執行人はポール。コーフィは「生まれてきてごめんなさい」と言い残しこの世をあとにした。
老人ホームの友人にすべてを語り終えたポール。
そして彼が生きた証として60年以上も生きたネズミのMr.ジングルスを友人に紹介した。
おそらく、死刑の時にMr.ジングルスは不思議な力を受けたのだろう。
さらに、不思議な力を受け継いだのはポールも同様だった。
ポールは今年で108歳になる。しかも、いまでもポールは健康だった。
長生きした彼は多くの人の最期に立ち会ってきた。仲間や愛する家族。
自分の息子までも見送ってきた。
それがコーフィという奇跡の人間の命を奪った自分に課せられた罰なのだと胸に刻み込んだ。
彼の死刑台にむかう緑色の通路「グリーンマイル」はこの先も続いていくのであった。
映画「グリーンマイル」感想
この作品は何が正しくて何が間違っているのか考えさせられる映画でした!無実だが殺人罪で死刑を待つコーフィや死刑囚に対しての扱いがひどいパーシーなど、相反する性質をもつ人間が起こす行動。そこに生まれる優しさや残忍さ、罪悪感など、様々な感情が入り乱れる内容でした。感動する作品ですが、いい終わり方とは言いがたく、最後に死刑執行されるコーフィの報われなさなどは、分かっていてもつい涙を浮かべてしまいま…。
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