映画【私の中のあなた】あらすじ・ネタバレ・結末|姉の命を救うためドナーとして生まれてきた少女の物語

ヒューマン

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映画「私の中のあなた」作品紹介

製作国

アメリカ映画

公開日

2006年

上映時間

109分

監督

ニック・カサヴェテス

キャスト

サラ・フィッツジェラルド=キャメロン・ディアス

アナ・フィッツジェラルド=アビゲイル・ブレスリン

キャンベル・アレクサンダー=アレック・ボールドウィン

ブライアン・フィッツジェラルド=ジェイソン・パトリック

ケイト・フィッツジェラルド=ソフィア・ヴァジリーヴァ

ジェシー・フィッツジェラルド=エヴァン・エリンソン

テイラー・アンブローズ=トーマス・デッカー

映画「私の中のあなた」あらすじ

ある一家の娘が、白血病と診断されてしまった娘を救う為、人為的に娘と適合するドナーを作り、移植をしようと提案する両親と、そのドナーとして生まれてきた妹を大切に思う姉との葛藤を描いたヒューマン映画。果たして、最後に待ち受ける運命とは…?

映画「私の中のあなた」あらすじストーリー結末【起】

この先ネタバレ含みます。

消防士のブライアンと弁護士のサラとの間には

長女ケイトと長男ジェシー、そして次女アナの仲の良い兄弟がいた。

しかし、長女ケイトが2歳の頃、白血病に侵されていることが判明し、

母としてなんとしてもケイトを救いたいサラは、

仕事を辞め、ケイトの助かる道を模索する生活を送っていた。

ケイトを救うには、彼女と適合するドナーが必要だった。

しかし、タイミングよくドナーは見つからず、家族ですらも、ケイトとは適合しなかった。

そんな中、夫婦が取った解決策は、

ケイトと担当医師からオフレコで教えてもらった

ドナーとして適合する子供を新たに作るという方法だった。

同じ両親からであれば、

人為的に適合するドナーを作ることは可能だと先生は語った。

こうして、姉のために生まれたのが妹のアナ。

アナは、幼いころから、ケイトのドナーになることを両親から強いられながら生きてきた。

サラは、ケイトの発病後、ケイトを最優先にする生活を送っていた。

長男のジェシーが失読症にかかっていたことも、

何年も気づけないほど、サラは、長女であるケイトのことしか考えていなかった。

アナが11歳になったころ、ケイトの身体にさらなる異変が起こる。

映画「私の中のあなた」あらすじストーリー結末【承】

少し歩いただけで、疲れてしまい、何もしていなくても、疲労感を持つようになっていったのだ。

診察の結果、ケイトは腎不全と判断されアナに許可を得ず、

アナの腎臓のひとつをケイトに移植すると勝手に話が進んでしまっていたのだ。

そして、アナは町で有名な弁護士の元へ訪れ、自分を守ってほしいと弁護の依頼をしたのだ。

最初は冗談だと思っていた弁護士のキャンベルだったが

アナが産まれた事情や、これまでの幾度となく骨髄穿刺を繰り返していることや、

今回も、アナの同意を得ずに腎臓の提供が決まっていることを聞き、

アナを救うため、依頼を引き受けたのだった。

それは、当然サラの耳にも入る。

サラは、アナに「ケイトを見殺しにする気!?」と責め立てるが、

自分の身体を大切にしたいとアナの意思は固かった。

それでも納得のいかないサラは、キャンベルの元を訪れる。

サラは「あなたに何の利益があるの!」と執拗にキャンベルを責め立てるが、

「利益などどうでもいい、ひとりの少女を守りたいんだ!」

とサラの行き過ぎた考えに真っ向から反対していた。

こうして、前代未聞の裁判が行われようとしていた。

そんな中、ケイトは病院でアルバムを見返しては、思い出に浸っていた。

映画「私の中のあなた」あらすじストーリー結末【転】

薬の副作用で髪の毛が抜け落ち、自宅に籠るようになっていた時の話だ。

両親は、たまには外で日の光を浴びたら?と優しく誘うが、こんな頭じゃ出歩けない。

みんな気味悪がるよ。と思春期の女の子には、とてもつらい状況だった。

それを聞いたサラは「いいわ。わかった」と伝え、洗面台に立ち、自分の頭を丸めたのだ。

サラにしかできない母親の愛だった。

その後、家族で出かけることも多くなり自分が人前に出れるようになったきっかけの思い出だった。

そして、もうひとつケイトには、大切な思い出があった。

病院で検査を受けていると、同じ白血病の男性テイラーと知り合い、

同じ痛みを知る者どうし、とても話が弾み、やがて恋人になっていった。

ケイトとテイラーは幼いながらも、純粋に愛し合い、サラやブライアンも認めていたほどだった。

しかし、ある日を境に、テイラーは二度とケイトの前には現れなかった。

テイラーと別れた晩に、大人の関係をもったことで捨てられたとケイトは悲しんでいたが、

実はそうではなかった。テイラーは既に亡くなっていたのだ。

最愛の恋人を亡くしたケイトは、もう生きてる意味がないと考え、

死ぬことへの覚悟ができた思い出だった。

ブライアンがお見舞いに訪れ、ケイトから、昔みんなで行ったビーチに行きたいと言われる。

ブライアンは、先生を説得して、一日だけ外出許可をもらう。

サラは「ケイトを殺す気⁉」「今すぐ病院に連れ戻して!」と猛反発していた。

ブライアンは離婚すると言われるが、みんなを連れビーチへ向かったのだった。

澄んだ空気に開放的な景色。

温かい家族。

病気のことなんか忘れてしまうくらい穏やかな時を過ごした。

映画「私の中のあなた」あらすじストーリー結末【結】

そして、裁判当日。サラとアナは法廷で顔を合わす。

判事は、ケイトとアナはとても仲が良く、

どうしてこんな事態を招いたのかと正直疑問に思うところはあったようだ。

アナが、返答に迷っていると、

それを見かねたジェシーから「本当のことを言えよ!」という言葉が会場に響き渡る。

それでもアナは、「約束したもん!絶対に言わない」と何を隠していた。

ジェシーは「ケイトはもう死にたがっている!」

「ずっと楽になりたいと思っている」と涙ながらにサラに訴えた。

ケイトは、自分の死を受け入れており、

ジェシーとアナに頼んで裁判を起こすようにと指示をしたのだった。

妹のアナを苦しめてまで生きたくはない。

両親が自分に付きっきりでジェシーの失読症がわからないでいる。

自分のせいで、これ以上誰かが傷つくのなら…とケイトなりの答えだったのだ。

サラは、全てを知り、受け入れたくはなかったが、ケイトのために、自分を押し殺したのだった。

こうして、裁判は意外な結末を迎えた。

数日後、ケイトの病室に親戚のみんながお見舞いに来ていた。

みんなケイトが死ぬことはわかっているのに、治る前提の優しい言葉をケイトにかける。

帰り際、ママと少し話したいとみんなに伝えふたりだけの話になった。

ケイトは、私のすべてがここにあると伝え、手作りのアルバムをサラに渡す。

最後のページには「死後にもし迷ったら、家族で毎年旅行に行った湖で落ち合おう」と綴られていた。

アルバムに目を通し、ケイトを失ってしまう現実がサラを襲う。

泣き崩れるサラに「ママなら大丈夫」と優しく語りかけ、

サラを抱いたままケイトは静かに息を引き取った。

毎年、ケイトの誕生日に家族そろって休みを取り、いつも同じ場所を訪れていた。

アナは、ケイトの思い出を振り返ることはなく、

私とケイトは今でも心の中で繋がっていると信じ、とても穏やかな表情していた。

映画「私の中のあなた」感想

この作品は、姉の命を救うため、遺伝子操作によりドナーとして産まれてきた妹が訴訟を起こす…という重たい内容の作品でしたが、登場する人物それぞれが自分なりの考え方で、ケイトの命に対して向き合う姿にお互いを思い合う家族の深い愛を感じました。サラの行動は、倫理的によくないのではないかという声もありますが、それでも母として、娘の命を必ず救うという強い気持ちの表れだと感じました。生きる意味や、命と向き合うことの大切さを感じさせてくれる作品でもありました。

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