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映画「獣は月夜に夢を見る」作品紹介
製作国
デンマーク映画
公開日
2014年
上映時間
84分
監督
ヨナス・アレクサンダー・アーンビー
キャスト
マリー – ソニア・スール
トール – ラールス・ミケルセン
ダニエル – ヤコブ・オフテブロ
映画「獣は月夜に夢を見る」あらすじ
北欧サスペンス映画。
マリーは毎月のように健康診断を強要されていた。
次第になんのための診察なのか疑問に思った彼女だったが…。
映画「獣は月夜に夢を見る」あらすじストーリー結末【起】
※この先ネタバレ含みます。
デンマークの小さな港町。
この町で暮らす少女マリーは、毎月恒例の定期健診に訪れていた。
しかし、何に対しての健康診断なのかを本人は知らされていなかった。
マリーはなんとなく、母の遺伝が関係していると憶測を立てていた。
母は、難病を抱えており、車椅子での生活を余儀なくされ、意思の疎通もできない状況だったからだ。
薄々母の遺伝が関係していると感じ始めていた。
そして、なぜかマリーの家族は村から隔離されており、母は村人から嫌われている様子だった。
父に母の病気を訪ねてみても、話をはぐらかされてしまう。
マリーは歳を重ねる毎に母の病気や自身がなぜ医者に通っているのか、疑問を抱くようになっていった。
ある日、村の水産加工工場で働き始める。
職場でのマリーを見る目は、どこか冷たさを感じる。
同僚で好青年のダニエルだけは好意的で、互いに惹かれ始めていく。
そして、彼女に強く当たるエスベン。
彼は、マリーを魚が死んで浮いている汚水のプールにダニエルを突き落とし、新人を歓迎する恒例の行事と告げるが、明らかに嫌がらせだった。
仕事から帰宅すると、母の元へ主治医のラーセンが家にきており、父となにやら会話をしていた。
マリーが帰ってきたことに気づくと、2人は会話を止めてとぼけている様子。
彼女は、自分と母の病気を探るために医者の資料を隠し持ってその場を後にした。
部屋に戻り、資料に目を通すと、レントゲン写真や爪でひっかかれたような傷の有る男性の写真、無数の爪痕が刻まれた天井、謎の文様が絵が画れている写真などマリーには関係のない資料に思えた。
映画「獣は月夜に夢を見る」あらすじストーリー結末【承】
ある日、マリーの身体に変化が現れる。
左胸に赤い痣が浮き出し、体毛が濃くなり、感情も攻撃的になっていったのだ。
更に、父が母を入浴させている時に背中の体毛を剃っているのを目の当たりにして、自分は母と同じ病気なのだと悟った。
その病気のせいなのか、職場での嫌がらせは続いていた。
自分たちが町の人から阻害されている理由を探るため、父に痣を見せて理由を問う。
しかし、父は何も答える事はなくラーセン医師を家に呼びつける。
事情を知ったラーセンから、「病気のせいで、これから身体が毛深くなり感情にも変化が現れる」
「気が短くなり、攻撃的になる」と告げられる。
医者から母と同じ薬を処方されるが、その薬を使用すれば、母と同じように何も出来なくなるのは明らかだった。
母のように寝たきりにはなりたくないと、拒否をするが、父たちに薬を強要され嫌気けがさし家を飛び出していく。
マリーはラーセンの資料から見つけた手がかりを元に廃漁船へと向かう。
中に入ると、見覚えのあるマークや無数の爪痕が船内にはあった。
それは、医者の資料にあったものと瓜二つだったのだ。
ラーセンの資料によると、この船で起きた殺人事件と関係している。
その犯人は、人ではなく、獣によるものだった。
この頃のマリーには、その意味が全く理解ができなかった。
冷静ではいられない彼女は、ナイトクラブへ足を運び気を紛らわせる。
ダニエルとも偶然に会い、二人の仲は縮まっていく。
2人はその足で、漁船へと向かい、深めあった。
自宅に戻ったマリーは、目が覚めると父とラーセンに押さえつけられ薬を投与されようとしていた。
その時、廃人同様の母が、突然獣に姿を変え、ラーセンをかみ殺してしまう。
父はラーセンを庭に埋め事実を隠蔽し、そんな父に漁船で亡くなった人も埋めたの?と問うと、父は否定しなかった。
マリーはこの時、初めて自分と母が普通の人間ではなく「人狼」であることを理解したのだった。
投与されようとしていた薬は、人狼になることを抑止するため薬だったことや、村人たちは、マリー親子の秘密を知り迫害していたことを知り絶望していた。
血まみれの母を洗いながしていると、母は優しくマリーの頭を撫でていた。
人狼だろうが、母親にはかわりはなかった。
抵抗する娘を守るために、ラーセンに牙を向いた母の愛情だった。
数日後、ラーセンが行方不明になったことが明るみになり、村人から真っ先に疑われた母は、服を脱がされ身体検査をされていた。
爪や歯を確認されるが、証拠を隠蔽していたため、見つかるはずもなく、マリーに「お前も見張っている」と吐き捨てて家を去っていった。
映画「獣は月夜に夢を見る」あらすじストーリー結末【転】
それからというもの、職場では今まで以上に差別が厳しくなっていく。
いたたまれない気持ちになりながら自宅に帰ると、母が窓辺にいない事を不審に思い、家中を探すと、浴室で母の変死体を発見してしまう。
これ以上迷惑をかけられないと思った母による自殺なのか。
町の誰かによる他殺なのかはわからなかった。
母の葬儀が葬儀の日。
町の人たちも参列にするが、内心は厄介者がいなくなったとマリーは肌で感じていた。
葬儀の最中にマリーに新たな変化が現れる。
爪の付け根から出血したのだ。
おそらく獣のような爪に生え変わろうとしている。
最初は隠すマリーだったが、母の他界を喜んでいる周囲に態度に腹をたてて、コーヒーを配りながら流血している爪を見せて回った。
その後もコップをかみ砕き、背中の体毛を隠す事を止め私は私だと言わんばかりの態度で生活をしていった。
映画「獣は月夜に夢を見る」あらすじストーリー結末【結】
その反発的な態度が気に入らなかったエスベンたちから、仕事終わりのマリーは、バイクで襲われてしまう。
逃げ回るマリーだったが、リーダーのエスベンにとびかかり噛み殺す。
その後、船で休んでいると、ダニエルが慌てた様子でやってくる。
エスベンの件で町では大騒ぎになっていると伝えるが、マリー自身は獣になっている間の記憶が全くなかったのだ。
これ以上この町にはいられなくなったマリーに、ダニエルは一緒にこの町を出ようと伝える。
こうしてマリーは、町を出てダニエルと共に生きる道を選んだのだ。
身支度を整えるために一度、自宅に帰り、父と別れを告げた。
廃船に戻ると、そこには村人が待ち構えており気絶させられ、船内へと連れていかれてしまった。
おそらくこのまま沖へ出てマリーを海へ突き落すつもりのようだ。
それを目撃したダニエルは、後を追い監禁されているマリーを解放する。
マリーは完全に人狼となり、男たちを次々と襲い、漁船の全員を血祭にあげた。
ダニエルはおそるおそるマリーに近づいていく。
獣となっても、ダニエルだけは認識できるようだ。
そして、ダニエルはマリーを優しく抱きしめる。
ふたりはそのまま漁船を走らせ、新天地へと旅立っていった。
映画「獣は月夜に夢を見る」感想
この作品はとにかく会話がなく、ストーリーのみが淡々と進んでいく所がより一層、マリーの孤独感を引き立てていました。
母の正体を知りながらも愛し守り続けた父のように、マリーやダニエルも同じ道を辿るのかなと思うと悲しくもロマンチックでもありますね。
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